JRをはじめとする鉄道会社には「旅客営業規則」という、乗車券の運送契約に基づく定型約款が存在します。
これらは、ほとんどの鉄道会社の公式ホームページで確認することができますが、一部、乗車券の様式などは省略されています。
また、駅の窓口等で閲覧の申し出をすれば、見せてもらうこともできます。ただし、この時の駅員の判断になります。そのため、わからないことは、各鉄道会社のお問い合わせフォームに連絡することをおすすめします。
前置きが長くなりましたが「途中下車」の話です。
途中下車の根拠は、JR東海の旅客営業規則では、
第2編 旅客営業 第4章 乗車券類の効力 第2節 乗車券の効力 第156条 に記載されています。
条文を書くと長くなるので、簡単に要約すると、
全区間片道で100キロを超える乗車券なら、その区間内なら、途中下車できる。
ただし、大都市近郊区間内などは除く。
といったところでしょうか。いろいろと細かい部分はありますが、基本的には、これで問題ないと思います。
例として、名古屋から浜松までの乗車券なら、100キロを超えるため、豊橋などで途中下車ができます。
しかし、大阪から米原までの乗車券は、100キロを超えていますが、大都市近郊区間内のため、途中下車できません。新幹線を乗車する際も同様です。
他社線との連絡運輸に関するJR側の約款は、旅客連絡運輸規則に定められています。
今回は、JR東海の運送約款を用います。
旅客連絡運輸規則の途中下車の記述は、
第2編 旅客営業 第4章 乗車券類の効力 第1節 乗車券の効力 第76条に記載されています。
これも細かいことを言えば、旅客営業規則と比較すると違うのですが、概ね変わりません。
他社との連絡運輸を含む乗車券(連絡乗車券)でも、100キロを超えた時点で途中下車ができるとあります。
しかし、同規則 第75条 大都市近郊区間内の駅と接続する場合は、基本的に有効期間が1日になり、途中下車ができないとなっています。
「連絡接続駅」という概念が追加され、これは、JRと他社を含む連絡乗車券が100キロを超えていなくても、JR線と他社線の乗り換え駅ならば、途中下車が認められています。
また、JRと他社の改札口が共同であっても、規則上、途中下車が認められています。
しかし、問題は他社線内の途中下車です。
100キロを超えた連絡乗車券は、途中下車ができるとありますが、実は連絡運輸先の鉄道会社によって、対応は異なります。
結論を述べると、元JR線や第三セクター系の鉄道会社などは、乗車券が100キロを超えると基本的に途中下車ができる可能性が高いと思います。
智頭急行や伊豆急行には、旅客営業規則に100キロ超えた乗車券ならば、途中下車について認める記載があります。
(※ただし、東京近郊区間から伊豆急行線への連絡乗車券を除く)
上記以外の鉄道会社が公開している旅客営業規則には、記載していない場合があります。そのため、各鉄道会社がJR側の旅客営業取扱基準規程に準じる規則などに記載されている場合が多いと推測しております。
あくまで、推測ではありますが、
JRを含めた100キロを超える連絡乗車券で、他社線内で途中下車できる鉄道会社は少なくとも、
青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道、北越急行、伊豆急行、伊勢鉄道、京都丹後鉄道、智頭急行、土佐くろしお鉄道、IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道、えちごトキめき鉄道、のと鉄道、肥薩おれんじ鉄道
ぐらいだと思います。
これらの鉄道会社の共通点として、元JR線や建設線だった路線を第三セクターなどによって開通した経緯があります。また、一部は特急列車が直通しており、JRとの関係が深いと思います。
京都丹後鉄道については、旅客営業規則を公式ホームページ上で確認できませんでしたが、実際に何度か途中下車をしたことがあります。
宮津駅の下車印が押印されている。
そのため、上記の他社も同様にJR側の規則を踏襲している可能性があります。
他の鉄道会社の運送約款を確認すれば、途中下車ができる所があるかもしれませんが、連絡運輸の範囲によって変化するので、正直わかりません。
基本的に運送約款に書かれていることが全てだと思っているので……
私から言えることは以上です。(詳しいお方、教えてください!)
余談ですが……
途中下車の見解において上記に挙げた鉄道会社は、あくまで私の推測です。
決して鵜呑みしてはいけません!
各鉄道会社のお問い合わせフォームにお問い合わせすることをおすすめします。
また、その際の責任は、一切取りませんので自己責任でお願い致します。
読んでいただき、ありがとうございました。